アップルとグーグルが共同で開発中の濃厚接触通知アプリのAPIが、2020年5月20日正式に提供開始されたと発表がありました。
この情報を聞いて、APIとはなんだろう?とか実際にアプリを利用できるのはいつごろだろうかと疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
私も気になり調べてみたところ、以下のようなことがわかりました。
- アプリのリリースは2020年6月中に予定
- Bluetoothの機能で接触した人同士の匿名のID情報を記録をする仕組み
- GPSを使わないプライバシーに配慮した仕組みを利用
冬までにはまた新型コロナウイルスの感染拡大の第二波が来る可能性があると言われている状況を考えると、少しでも早いリリースが期待されますね。
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濃厚接触通知アプリのリリース時期はいつ頃?
濃厚接触通知アプリの仕様が公開されたというニュースを見て、すぐにインストールすることはできるのかなと思った方もいるかもしれません。
接触通知アプリの仕様公開 https://t.co/PdfgguAorp
米アップルと米グーグルは20日、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けアプリの技術仕様を公開した。米国の多くの州と22カ国で使用される予定で、数週間でさらに増える見通しとしている。
— SankeiBiz (@SankeiBiz_jp) May 21, 2020
今回の発表ニュースは濃厚接触通知アプリの技術的な仕様が発表されたということで、実際にすぐにアプリを利用できるようになったということではありません。
APIとは簡単に言うと技術的な機能を共有化して提供し、それを利用することでアプリを開発する側がゼロからすべてを開発する必要がないようにするためにあります。
アプリを開発する厚生労働省が発表している上の図で見てみると、左の点線に囲まれた接触を検知する部分がアップルとグーグルが提供する機能となり、今回発表されたAPIになります。
図の右上部分にあるようにAPIへの対応も即可能なように既に実装が完了していることから、アプリの完成までそこまで時間はかからず、予定通り2020年6月中には公開されると考えます。
アップルは次の段階として、数ヶ月後にはiPhone/AndroidそれぞれのOSに機能として組み込み、将来的にはアプリをインストールしなくても設定でオンにすれば通知機能を使えるように計画していると公式サイトで発表しています。
まず、公衆衛生当局が提供するアプリを利用する Android及び iOS端末間で相互運用を実現するAPIを 5 月にリリースします。これらの公式アプリは、ユーザーがそれぞれのアプリストアからダウンロードできるようになります。
次に、今後数か月をかけAppleとGoogle は、基盤となるプラットフォームに、同機能を組み込むことで、より広範なBluetooth ベースの濃厚接触の可能性を検出するプラットフォームの実現を目指します。
まずは2020年6月中に予定されているアプリのリリースを待ちたいと思います。
濃厚接触通知アプリの仕組みとプライバシー対策を解説!
「濃厚接触通知アプリ」と言葉で聞くとなんとなくGPSで位置情報を把握されたり、個人情報をとられたりするのかなと不安になってしまいますよね。
中国やインドなどすでに追跡アプリが導入されている地域のシステムではGPSを利用していると聞くのでそう思ってしまうのは無理もないかもしれません。
コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性を知らせるアプリ。
AppleとGoogleがつくったって。
なんか、恐怖の通知がくるイメージあります。。ww
近未来だと『はいあなたの行動を数日監視しますGPS機能はオフにできません』ってA.I.に早口で言われそうな感じ。。🐶— みやてん (@Tamaukiyoeshi) May 21, 2020
ところが今回のアップル/グーグルの技術を利用した濃厚接触通知アプリでは、プライバシー問題については心配いらない仕組みとなっています。
GPSを使わずBluetooth(ブルートゥース)の技術を使い接触した人の把握を行います。
すでにワイヤレスヘッドホンなどでBluetoothの技術を使っている方も多いので、なじみのある技術なのではないでしょうか。
アプリがインストールされたスマートフォン同士が数メートル以内に近づくと、Bluetoothの通信でそれぞれすれ違った相手のID情報を記録します。
ここで記録されるID情報は匿名化されたランダムな記号なので、個人を特定する情報は記録されません。
そしてこのアプリのユーザーが新型コロナの感染者となった場合、アプリ上で登録し、過去にすれ違った記録のあるユーザーに通知が送られるという仕組みになっています。
この仕組みであれば扱うのは匿名化されたID情報だけなので、すでに海外で利用されている追跡アプリのように位置情報は利用されません。
個人情報も扱わないのでプライバシーが流出する心配はありませんね。
まとめ
今回はアップル/グーグルが共同で開発している新型コロナの濃厚接触通知アプリについて、
- アプリのリリースは6月中に予定
- Bluetoothの機能で接触した人同士の匿名のID情報を記録をする仕組み
- GPSを使わないプライバシーに配慮した仕組みを利用
ということについて解説してきました。
実際にアプリを利用できるようになるのは、6月中が予定されているということなので、リリースされたら早速インストールしてみようと思います。
ほぼ確実にあると言われている新型コロナ感染の第二波が来るまでに、濃厚接触通知アプリで感染拡大をできるだけ防げる体制ができていることを期待します。